知ってトクする税金の話

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意外な書名の理由を種明かし

税金に関する本としては、『なぜ犬神家の相続税は2割増しなのか』というのは意外な書名ですが、このタイトルを選んだ理由は?

この書名は、莫大な遺産をめぐって起きた連続殺人事件を描いた横溝正史の推理小説『犬神家の一族』にまつわる相続税問題から取ったものですが、実をいうと、このタイトルはつけたくありませんでした。

本の中には税金について100のルールが取り上げてあり、それぞれのルールに1冊の本のタイトルにしてもいいように見出しを考えました。ですから、その中から1つだけ書名として選ぶと、本全体がその内容にしばられてしまうようでイヤだったのです。
 ただ、書名をつけないわけにはいきませんから、全体のイメージをいちばんよく表していて、なおかつ、みなさんに、「この書名の意味はなんだ?」と興味を持ってもらえものを選びました。
 それと、本のなかでは税金についてマニアックな話も紹介しているので、『犬神家の一族』という推理小説のいわばマニアックな傑作と共通点があるところから採用しました。

この本はどんなきっかけで執筆されたのですか?

この歳になって健康が気になるようになり、健康についての本をいろいろ読んでいるうちに、ふとお金の健康の本を書きたいと思ったのがきっかけです。
 よけいな税金を支払っている方はすくなくありませんが、そのような方は言ってみればお金が病気になっている状態なんじゃないかと思います。

体の健康を気にして健康本を読んだり、健康に関するテレビ番組を観たりする人は非常に多いですけれども、お金の健康を気にする人は不思議とあまりいません。そこでお金の健康の本を書いてみようと思いました。

どんな人に読んでもらいたい本でしょうか。

基本的に会社に勤めている方を対象にしていますが、すでにリタイアされた方や、専業主婦の方、あとは学生や社会人になりたての若い方などにも読んでもらいたいと思っています。
 学校教育の中で税金の話はほとんど出てきませんから、高校生や大学生にもぜひ読んでもらいたいです。

100のテーマが基本的に一話完結で、疑問をそこで解決できるようになっています。芸能人や有名人の例もいっぱい出てきますので、居酒屋や喫茶店などでの小ネタとしても使える税金の話というのが、この本で私が目指したことです。

これまでは、IFRS(国際会計基準)や減損会計など、経理の専門的な本が多いのですが、今回はなぜ一般向けの本をお書きになったのでしょう?

 これまでの本も、みなさんが知りたいと思っていることを本に書いてきたのですが、なるべく多くの人の役に立ちたいと思って、今回は身近な税金のことについて書きました。
 私は恵まれた環境の中で育ってきたという気持ちがあり、経験、知識や自分の能力を社会に還元したいと30歳くらいになって考えるようになりました。独立して開業したのも、多くの人の役に立ちたいという思いからです。
 私がいろいろ経験してきたことを、本を書くことで、みなさんに提供できるものを提供していくという意味では、これまでの本とも共通していると思います。

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