知ってトクする税金の話

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断片的な知識があれば十分

一般人にとって税金の常識についてどこまで知っておくべきでしょうか?

この本に書いてあることを知っていてもらえれば十分です。この本の第2章、第3章、第4章に書いてあることは特に知っておいてほしいところです。相続について心配な方は、第7章も読んでもらうといいでしょう。

税金は細かくて、難しいことも多いので、一般の方々には網羅的、体系的な知識は必要なく、断片的な税金の知識があれば十分だと私は思っています。
 この本も最初から最後まで通して読むだけでなく、一話完結なので、まずは興味を持ったところから読んでもらえたらと思います。通勤の合間に面白そうなところをパラパラと拾い読みしていただくだけでもけっこうです。

でもそうやって読んでいて、全部読み終わったときには、税金のことがものすごく詳しくなっているはずです。
 税金の知識を得て、実際に確定申告をし、たとえ数千円であっても税金が戻ってくればうれしいはずですので、その気持ちをバネにさらに知識を増やしてほしいです。

最後に、日本の税金制度について一言お願いします。

日本の税金システムは、役所の縦割り行政の反映でしかないと思います。所得税、贈与税、相続税、住民税とか、年金、健康保険など税金には種類がいっぱいありますが、それは役所の都合で決めただけであって、払う側としてはまとめて「税金」ということでしかありません。私たちが知りたいのは、税金がかかるかどうかであって、どういう税目の税金がかかるかというのは、私たちにとってはどうでもいいことです。

ところが、今の税制は縦割り行政がそのまま反映されていてわかりにくくなっているのが一番大きな問題ではないかと思います。財源が足りないとなると、自分たちの所轄の税金や年金、保険料をとりあえず引き上げようとするセクショナリズムも横行しがちです。
 でも、それが積もり積って納税者にとっては大きな増税になってしまいます。あと、窓口もあっちこっちにある状態ですので、できるだけ一つにするのがいいと思います。

小澤 善哉 公認会計士・税理士

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おざわ ぜんや

おざわ ぜんや 公認会計士・税理士。1990年東京大学経済学部卒業。太田昭和監査法人(現、新日本有限責任監査法人)を経て1997年に小澤公認会計士事務所を開設。著書に『企業にこっそり教えるだまされないためのIFRS対策の本』『不動産保有の意味を問う』(共著、2008年社団法人、「不動産協会優秀著作奨励賞」受賞)、『図解 IFRSの不動産会計』』(以上、いずれも東洋経済新報社)、『株式投資最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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