指定された場所へぶらりと出向くと、カメラマンはすでに来ていた。なのに、肝心の東洋経済の編集者が来ていない。なぜだ。
聞けば、テスラモーターズの高級EVであるところのモデルSでやってくるという。一応それも、仕事だという。それで、渋滞で遅れているという。本当か。
コロッセオのような外観
ここは目黒区大橋。山手通りと国道246号線の交差点から僅かに西に位置しており、かつては東急玉川線、通称玉電が走っていたあたりだと案内板に書いてある。そこになぜ、今、ボクがたたずんでいるのか。それは、酔狂な工事が行われると耳にしたからだ。
大橋と聞いてピンと来た人もいるだろう。玉川線車庫の跡地に造られている、コロッセオのごとき外観の、あの大橋ジャンクションが目の前に聳えている。ここで行われる酔狂な工事とは、地下に通したトンネルを、あたかもアジやサンマを開くように「切り開く」というものだ。
その切り開く話をする前に、大橋ジャンクションとは何かをちょっと解説しておこう。いま都内では、高速道路の工事が行われている。そのうちのひとつに、首都高中央環状線の品川線工事がある。
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