祖父母が孫を溺愛するべきではない根本理由

「内緒で小遣い」は自己満足そのものだ

年老いた身としては、とかく孫というものは可愛いものである。しかし…(写真:Fast&Slow / PIXTA)
松下幸之助氏(パナソニック創業者)のもとで23年側近として過ごした江口克彦氏。若手ビジネスパーソン向けの連載として好評だった「上司と部下の常識・非常識」に続いて、「50歳からの同調圧力に負けない人生の送り方」について書き下ろしてもらう。

孫が来ると、どんなに強面の祖父・祖母であっても、仏、菩薩のような顔になるらしい。無邪気で、あどけない笑顔に心が緩むのは当然だろう。孫と一緒に食事をしたり、旅行をしたりと微笑ましい情景が浮かぶ。孫の可愛さに、あちこちでおみやげを買って与える。ときには小遣いを与えることもあるだろう。年老いた身としては、とかく孫というものは可愛いものである。

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しかし、祖父祖母が、両親即ち息子や娘と競争するように孫を溺愛して可愛がるのは、いかがなものか。

52歳で歌手としてデビューした人の、孫を歌った歌が大ヒットした。歌詞に曰く、「なんでこんなに可愛いのかよ、孫という名の宝もの」「仕事いちずで果たせなかった親の役割、代わりの孫に今は返して、返しているところ」。この人も、この歌のファンもそれでいいと思っているならば、とやかく言うことでもない。

罪滅ぼしに孫を可愛がっていいのか

だが、そのように爺婆が、自分の子供に十分愛情をかけられなかった罪滅ぼしに、孫を可愛がる。それでいいのだろうか。

自分の子供、責任のある子供ならともかく、孫である。子の子である。その孫に対して、自分の子と「愛情の競争」をやっていいのか。息子や娘は、親として自分の子供に限りない愛情をそそぎ、子供との絆を強くしたいと思っている。

たいていの親は、そうではないか。そのような親としての息子や娘の思い、愛情を邪魔するように取り上げて、爺婆が孫を可愛がり結びつきを強めれば、父親としての息子、母親としての娘の立場はどうなるのか。ひょっとしたら、心のなかで舌打ちしているかもしれない。

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