「無駄話」を嫌うと人間関係はギスギスする お互いの心を豊かにする効能も

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無駄話ができるということは、それだけの話題を持っていることの証拠でもある(写真:葦風 / PIXTA)
松下幸之助氏(パナソニック創業者)のもとで23年側近として過ごした江口克彦氏。若手ビジネスパーソン向けの連載として好評だった「上司と部下の常識・非常識」に続いて、「50歳からの同調圧力に負けない人生の送り方」について書き下ろしてもらう。

これまでに多くの人たちを見てきたが、男性は、目的のある会話、結論のある会話を求めたがる。目的のない会話には、すぐに倦きる。とりとめのない会話が始まるとすぐに苛立つ。

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職場では特にそうだ。無駄話をしている同僚を見ると、怠けているようにしか思えない。プライベートでも同じく、「呑んで呑まれて、呑まれて呑んで」と酔っ払っているとき以外は、無駄話、雑談に花を咲かせることを好まない。

とりとめもない話が始まると、すぐにイライラしだす。「結論→理由」の順番で話すように促す。すぐに相手の話を遮断して話の内容を要約・整理しようとする。結論なく話が続くと、下手に結論を促すような相づちを打って、余計にお互いにイライラして、不愉快な気持ちになったりする。

定年退職して職場を離れたような男性にも、そういうイライラする人がいかに多いことか。男性というものは、「結論のない話」を嫌うようにできているのかもしれない。

無駄の効用

しかし、そういう結論を急ぐ話し方ばかりしていて、人生を面白くすることができるかと言えば、そうではない。喫茶店などで周辺の女性たちを見てみるがいい。一見無駄話に思えても、楽しい花を咲かせている女性たちの様子を見れば、それは確かだ。

それに、「無駄の効用」というか、「無意味の必要性」というものもあることも知っておくべきである。

車のハンドルにも「遊び」がある。遊びがあるからこそ、安全運転が可能になる。道や橋なども同じこと。論理的に考えれば、渡る人の足の広さ、場所だけあればいいのかもしれない。しかし、そうではなく、道や橋には、余裕がある。随分と無駄なスペースがある。しかし、だからこそ人は、安心して渡ることができるのである。

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