これまでに多くの人たちを見てきたが、男性は、目的のある会話、結論のある会話を求めたがる。目的のない会話には、すぐに倦きる。とりとめのない会話が始まるとすぐに苛立つ。
職場では特にそうだ。無駄話をしている同僚を見ると、怠けているようにしか思えない。プライベートでも同じく、「呑んで呑まれて、呑まれて呑んで」と酔っ払っているとき以外は、無駄話、雑談に花を咲かせることを好まない。
とりとめもない話が始まると、すぐにイライラしだす。「結論→理由」の順番で話すように促す。すぐに相手の話を遮断して話の内容を要約・整理しようとする。結論なく話が続くと、下手に結論を促すような相づちを打って、余計にお互いにイライラして、不愉快な気持ちになったりする。
定年退職して職場を離れたような男性にも、そういうイライラする人がいかに多いことか。男性というものは、「結論のない話」を嫌うようにできているのかもしれない。
無駄の効用
しかし、そういう結論を急ぐ話し方ばかりしていて、人生を面白くすることができるかと言えば、そうではない。喫茶店などで周辺の女性たちを見てみるがいい。一見無駄話に思えても、楽しい花を咲かせている女性たちの様子を見れば、それは確かだ。
それに、「無駄の効用」というか、「無意味の必要性」というものもあることも知っておくべきである。
車のハンドルにも「遊び」がある。遊びがあるからこそ、安全運転が可能になる。道や橋なども同じこと。論理的に考えれば、渡る人の足の広さ、場所だけあればいいのかもしれない。しかし、そうではなく、道や橋には、余裕がある。随分と無駄なスペースがある。しかし、だからこそ人は、安心して渡ることができるのである。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら