同窓会に蔓延する「病気」「死」「懐古主義」
道徳的な物言いとしては、「何歳になっても、旧友を大切にしなさい」「ふるさとの同窓会にはなるべく出席して旧交を温め、関係をつないでおきなさい」というものだろう。
しかし、私は、60歳を過ぎたころから、小学校や中学校の同窓会にはほとんど出席しなくなった。50歳代でうんざりしたこともあり、出席する気になれないのだ。
だからこれから50代になる人たちには「50歳を過ぎたら同窓会には出ないほうがいい」とアドバイスしたい。
同窓会に行けば、たいてい病気と薬と副作用の話、そして昔話で会場が埋め尽くされる。
「最近、手術をしたんだよ」「オレはこの前、具合が悪くて病院に行ってきた」「こういう薬を飲んでいるんだ」「その薬は副作用があるみたいだぞ」ーー。こんな会話が延々と続いている。もう勘弁してほしい、というくらいだ。
別のグループでは、「最近、墓を買ってさ」「昔は楽しかったな」「お前、彼女とつき合っていただろう?」などといった話をしている。
病気、死、懐古主義ーー。そういう実のない話で場を温めるのも、たまのことならご愛嬌でいいだろう。その後に、「明日はこんなことをやる。来年はこうしようと考えている」「家庭菜園をやっていてね。今年は茄子がよくできたから来年は……」などと、明るい前向きな話題がつながるのであればいいと思う。が、しかし、同窓会というところでは、そういう風に話がつながるようなことがほぼない。
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