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人の欲望のカジノが経済危機を生んだ 『人類資金』阪本順治監督が見た経済の正体

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株価の「嫌気が差して」にびっくり

――経済が自分の生活に密接に結び付いていることを、もっと知ったほうがよいということでしょうか?

たとえばオリンピックが東京で開催されることが決まって、これから景気に期待できると言われています。でもこれは単に次なるバブルに向かっているだけ。だから多分、オリンピックの翌年にはボンと景気が悪くなるのだろうと。これからは、それまでにいかにして儲ければいいのか、いつ売り抜くかという話になってくる。その儲け方を知っている人間と、まったくそれとは無縁の人間とは、どんどん乖離していくわけです。

それをどうすればいいかは、僕もわかりません。でもそういった経済の情報が見えた状態で生活をするのかどうか、という点ではだいぶ違うと思う。もっと言えば、汚染水を垂れ流していてもなお原発を売ろうとする感覚、これはおそらく経済のことがわからなくても、違和感は当然あるわけですよ。でも、すべては経済、マネーだなってわかると、そこの問題点まで語れるようになるわけですよね。自分たちの子孫はどうなるのかと。

©2013「人類資金」製作委員会

――しかし経済や市場の動きを読み取るのは難しいです。

市場というのは、いわば気配ですよね。たとえば、バーナンキ氏や日銀の黒田総裁が「今、数字的にはこうなっているから期待できる」というのも、そういう予想をして市場を動かしているだけ。その期待できるという言葉の空気を、みんなが都合のいいように解釈して、自分の将来の生活設計をするわけでしょう。短期的な視野しかない人間ほど、そのムードに踊らされる。

景気や株価の説明をしている記事を読んだときにびっくりするのが、「嫌気が差して」という言葉。もはや感情論じゃないですか。こういうことで経済が成り立つのかと。たとえばアベノミクスだって書店に行けば肯定派の本も、否定派の本も両方置いてある。両者とも経済学者でプロなのに、これほど意見が分かれてしまうなら、庶民はもっとわからなくなる。両方ともそれなりのことを書いているけど、何かひとつ外的な変化が起これば、否定が肯定に向かうかもしれないし、肯定が否定に向かうかもしれない。

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【国連の演説シーンだけで映画が終わるかもしれない】

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