「昨年96敗」ヤクルト小川監督が語る反省点 球団史上ワーストの成績を経て、何を思う?

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――改めて、昨年の「敗因」は何だったとお考えですか?

小川:「故障者が多かった」ということはよく指摘されていますよね。それも確かに低迷の原因でしょう。ただ、それを理由にしてもいけないと思うんです。故障の原因というのは、1.コンディショニング不良によるもの、2.死球や自打球などの外的要因によるもの、3.オーバーワークの3つに大別できますが、そもそもプロとしては「1」のコンディショニング不良は絶対にあってはならないこと。

――コンディションに関しては選手自身の自覚の問題であり、防げるものですよね。

小川:はい。そして、「2」の外的要因、つまり死球や自打球、打球を追った際の選手同士による衝突などは、防ぎようがないものです。そして、「3」のオーバーワークについては、我々起用する側が、きちんと選手のコンディションを把握していれば防げる部分もある。ただ、ケガについてはヤクルトに限った問題ではなく、他球団も同じくらい故障者は出ているんです。それが去年の場合は主力選手に続出したこと、そしてそれを埋める控えの選手層が薄かったことで、ああいう結果になったんだと思うんです。

――そうであるならば、今季は選手の自覚をさらに促し、首脳陣は選手の調子をきちんと見極めた上で、控え選手の底上げを図るということが重要となりますね。

小川:そうです。そのつもりでキャンプに取り組んできましたから。昨年は故障者が目立ちましたけど、球団としては12年からコンディショニングサポートグループという組織を立ち上げて、選手の体調管理に細心の注意をしています。そして、今年からは神宮球場のクラブハウスに厨房を作って、栄養士の指導による食事管理を徹底するようにしました。これからも、防げる故障は必ず防ぐべく、フロントともに対策をしていくつもりです。

組閣の目玉、宮本慎也ヘッドコーチ就任を自ら直訴

――小川監督就任の最大の目玉として、「宮本慎也ヘッドコーチ誕生」が大きな話題となりました。これは小川監督の希望で実現した人事ですか?

小川:そうです。チームの雰囲気を根本から変えていくためにはいろいろな方法があると思います。でも、僕が最初に考えたのは「チームにもっと厳しさを」ということでした。そこで頭に浮かんだのが宮本でした。彼はヤクルトのOBで、チームに愛着を持っていますし、選手時代からすごく広い視野を持っていて実績もある。もちろん、野球理論もしっかりしています。まさに打ってつけだと思いました。

――どのように、宮本さんを口説いたのですか?

小川:「来年、チームを変えるためには宮本の力が必要だから、ヘッドコーチとしてお願いできないか?」って、ストレートに伝えました。最初は明治記念館で2人きりで食事をして、直接伝えました。その場では「少し考えさせてください」という返答でしたが、その後球団社長と話し、最終調整をした上でヘッドコーチ就任が決定しました。

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