「昨年96敗」ヤクルト小川監督が語る反省点 球団史上ワーストの成績を経て、何を思う?

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「厳しさ」の追求は、チームにどんな変化をもたらしているのか(写真:アルファポリス)
いまだ記憶に新しい2017シーズンの屈辱的な戦績。ドン底まで低迷したチームを立て直すべく舞い戻った小川淳司監督は、宮本慎也ヘッドコーチを要に据えたチーム改革を断行した。ハードワークに見られる「厳しさ」の追求は、選手達の意識をどのように変え、チームにどんな変化をもたらしているのか――。インタビュアーにライター長谷川晶一氏を迎え、小川監督のスワローズ改革に迫っていく。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりお届する。

昨シーズンのスワローズに対する後悔

――昨年はヤクルト球団史上ワーストとなる「シーズン96敗」を記録。この危機的状況を救うべく、4年ぶりに現場復帰した小川淳司監督がどのようにチームを立て直していくのか? 一年間、インタビューを続けることで、そのマネジメントの過程を見続けていきたいと思っています。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

小川:はい、一年間どうぞよろしくお願いいたします。

――昨年までは「SD(シニアディレクター)」という立場からチームをご覧になっていました。そもそもSDというのはどのような職種なのか、教えていただけますか?

小川:アマチュア選手の調査と獲得、外国人選手の補強、二軍選手の育成、他球団選手の調査とトレード……。簡単に言えば、編成に関するすべてを担当するディレクターですね。他球団には「GM(ゼネラルマネジャー)」という職種もありますが、GMというのは予算管理も含めた全権を担当するマネージャーです。SDというのはその権限はないので、金銭管理以外の部分でのチーム編成を担当します。

――2015年から2017年までの3年間のSD時代には、どのような方針、ポリシーでチーム作りに取り組んでいたのでしょうか?

小川:これは球団の方針とも一致するのですが、強く意識していたのは「ドラフトで獲得した選手を育成強化し、常に優勝争いができるチームにする」という方針です。単年での優勝ではなく、常に優勝争いをできるチーム作り。そのためには有望選手の獲得、そして獲得後の育成が大切になります。僕自身が実際に関わるようになったのは15年のドラフト会議からですが、この年からは高校生中心のドラフト戦略に変わっていきました。

――確かに15年ドラフトでは、ドラフト2位に廣岡大志(智辯学園高校)、3位・高橋奎二(龍谷大平安高校)、4位・日隈ジュリアス(高知中央高校)、6位・渡邉大樹(専修大学松戸高校)と、高校出身選手の指名が増えましたね。

小川:15年には真中満監督の下で就任1年目での優勝を実現しました。この年は円熟期を迎えつつある川端(慎吾)、畠山(和洋)、雄平らが活躍しました。そこに山田(哲人)ら下の世代も育ちつつある。だからこそ、「次の世代の育成を」ということで、SDとしてスカウトたちに補強ポイントを伝えた上で、高校生中心の指名にしました。16年には寺島成輝(履正社高校)、17年には九州学院の村上宗隆を1位指名したのも、その流れです。

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