業績を牽引してきた「ヤクルト1000」シリーズはブームが一巡・・・ 新商品「糖質オフ」は新規客の獲得進め、販売数量を回復させられるか

大ヒット商品「ヤクルト1000」が“曲がり角”を迎えている。
乳酸菌飲料を主力とするヤクルト本社が5月13日、2025年3月期(2024年度)決算を発表した。売上高は前期比0.7%減の4996億円と横ばいながら、本業の儲けを示す営業利益は同12%減の553億円と減益で着地。期初に計画していた売上高5335億円、営業利益685億円には及ばない結果となった。
売上高や営業利益の約半分を占める海外事業は、低迷が続いていた中国の回復や、米州における販売増、円安の追い風などに支えられ好調だった。一方で足を引っ張ったのが国内事業だ。主力の国内飲料・食品セグメントは、売上高が前期比3.6%減の2429億円、営業利益に至っては同24.4%減少し、374億円となった。
待望の新工場で増産したが…
国内低迷の背景にあるのが、「Yakult(ヤクルト)1000」(宅配品)と「Y1000」(店頭品)からなるヤクルト1000シリーズ(以下、1000シリーズ)の苦戦だ。
ヤクルト1000が全国発売されたのは2021年。「睡眠の質向上」や「ストレスの緩和」をうたう機能性表示食品で、マーケティング戦略の奏功やタレントによるテレビ番組での紹介をきっかけに、一時は供給が追いつかなくなるほどの大ヒットをみせた。

こうした流れを受け、ヤクルト本社は2024年度、ヤクルト1000の販売計画を前期比6%増の1日当たり230万本、Y1000を同27%増の130万本に設定。だが、結果はそれぞれ196万本、105万本と未達に終わった。
ヤクルト本社が高い目標を立てていたのは、新しい顧客の獲得が進む算段が立っていたからだ。
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