
事業承継への危機感があった
――東宝に出資を申し入れた経緯を教えてください。
『すずめの戸締まり』が終わり、ちょうど去年で55歳。そろそろ社長を譲らないと、事業承継に失敗してしまうという危機感があった。10年以上前から候補者を探してきて、5年前に優秀な人材(現社長の徳永智広氏)が入社し、育ってくれたので、去年社長を譲った。
そのうえで、“チーム新海”を外部からいろんな人に支えてもらう必要性を感じていた。もともとアニメイトからも5%ほど出資を受け、応援してもらってきたので、こういう企業があといくつかいてくれるといいな、と。いちばんバランスがよいのは、東宝によるマイナー出資だった。
僕は、東宝の島谷能成(前社長、現会長)さん、松岡宏泰社長のそれぞれと知り合いだった。2024年の6月ごろ、東宝の日比谷本社に直接行って、松岡社長に(持ち株売却の)意向を伝えたところ、二つ返事で「ぜひ」と言ってくれた。
――東宝側のリリースには、制作環境の向上や創作機会の増加、作品展開といった面での支援について言及されていました。
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