「昨年96敗」ヤクルト小川監督が語る反省点

球団史上ワーストの成績を経て、何を思う?

――チーム作りには「長期的展望」が必要で、それが成果となるには時間がかかるものだと思いますが、SD時代のドラフトの成果を見届ける前に監督に就任したということなのでしょうか?

小川:常に優勝争いできるチームにするためには、主力の年齢が上がってくる前に高校生を中心にした若手の育成が重要になるし、チーム編成においても常に年齢的なバランスを考えて、下の世代を鍛えていかなければならないんです。でも、結果的には昨年は主力選手が故障したのに、それを埋める選手がいなかった。それはSDとしての反省点です。チームを変えるためには非情にならなければならない。でも、僕にはそれができなかった。そこが一番の反省点です。

――「非情になれなかった」というのは、選手の移籍や解雇も含めて、大幅な「血の入れ替え」を断行できなかったという意味ですか?

小川:はい、そうです。僕もずっとヤクルトでお世話になって、現場で選手たちと近いところで仕事をしているので非情に徹することができなかった。でも、チームを変えていくためには非情にならなければいけなかった。今ではそう考えています。

2015優勝時と2017シーズンとの決定的な差

――「SDとして見た2017年」について、どんな印象をお持ちでしょうか?

小川:SDとして過ごした3年間。神宮球場で行われる試合はほぼすべてをスタンドから見ました。そうすると、昨年は優勝した15年との差をやっぱり強く感じましたね。

――真中監督の就任1年目でセ・リーグを制覇した15年と、96敗を喫した17年とは、どのような点で大きな差を感じたのでしょうか?

小川:人間なので、勝っているときと負けているときとでは気持ちの持ち方が違うのも、やむを得ないとは思います。優勝した15年は、みんなが優勝に向かって一致団結していました。みんながすごく生き生きとしていました。でも、言葉は悪いけれども、去年の選手たちは「ただ試合をこなしているだけ」にしか見えなかった。それは強く感じました。

(写真:アルファポリス編集部)

――SDの目から見て、選手たちの覇気のなさや勝負に対する執着心の欠如などが感じられたということですね?

小川:はい。もちろん、言葉では誰もが「最後まで一生懸命に戦う」と言っているし、その言葉にウソはないと思います。でも、人間ですから、あれだけ負けが込むと、実際に15年とはまったく同じような気持ちでプレーはできなかったと思うんです。我々は入場料をいただいて野球をするプロですから、自分の技術を売るのは当然です。でも、さらにお客さまに喜んでもらえるプレー、チームの勝利も届けなければならない。その点では物足りなかった。それが、スタンドから見ていて、強く感じたことでした。

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