EYの伸長にデロイトのつまずき。4社の勢力図にも異変が見える。

4大国際会計事務所と提携し、日本では監査やコンサルティング、税務を提供する「ビッグ4」。いわゆる会計系の総合コンサルとは、デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティングを指す。
ビッグ4は日本の監査法人と資本関係がなく、本国とはメンバーファーム制度を設けている。日本においても監査法人は企業を監査する以上、第三者として厳格な独立性が求められる。ビッグ4の監査法人の顧客に対しては、利益相反の観点から、同じビッグ4内のコンサル会社がコンサル業務を提供することはできない。
売上高トップはデロイト。祖業は監査部門
世界のビッグ4は近年、一貫して売上高を伸ばしている。
例えば、最大規模のデロイト トウシュ トーマツは、グローバルの売上高が2024年5月期で672億ドル、社員数は46万人にも及ぶ。もっとも、今や売上高のうち最も比率が高いのは、実はコンサル部門。デロイトに関しては60%強を占めるほどである。

本来、会計監査を最も得意としてきたが、2000年代の米エンロン事件を機に、厳しい監査を求めるSOX法(企業改革法)が成立。会計監査のコストが増加する一方、監査報酬の値上げは顧客から認められにくく、監査部門の利益率低下も見えてきた。非監査部門のうち伸びしろのあるコンサルで、売上高を増やそうというわけだ。
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