有料会員限定

「特別養護老人ホーム」で起こる需給のミスマッチ。空室も出ているのに待機者が生じる理由とは

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
特養老人ホームのイメージ
(写真:genzoh / PIXTA)

特集「介護 大格差」の他の記事を読む

高齢化社会の日本で介護のニーズは高まるばかりだが、人手や財源は不足している。本特集では住む場所や経済力、どんな施設を選ぶかによって生まれる「介護格差」に迫る。

比較的費用が安いとされる特別養護老人ホーム(特養)。厚生労働省によると、全国の入所待機者(要介護3以上)は約25万3000人(2022年調査)。

だが東京などの都市部では空室も出ている。23区内でも部屋のタイプによっては空床率が50%前後のところもあるという。特養の部屋には「ユニット型個室(個室)」と「多床室」があるが、その2つで需給ギャップが生じているのだ。

厚労省はプライバシーなどの観点から特養の定員の7割を個室にする目標を掲げる。ところが主に費用の面からニーズが高いのは多床室だ。結果として、多床室には待機者が続出し、個室は空床という事態が生まれている。

厚労省が示す特養の1カ月の自己負担額の目安では、要介護5の人が個室を利用した場合は約14万3980円で、多床室は約10万6930円。実際には各種加算や減免制度などで変わってくるが、年金受給額が月10万円前後の人にはこの費用の差は切実だ。

待機者の属性は?

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD