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【来期が正念場】トランプ関税についてファストリ柳井氏は「ピンチはチャンス」と発言、本格影響が想定される来期に向けて生産地変更も示唆

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前期に売上高が3兆円を超えたファーストリテイリング。ここまで好業績が続いてきたが、トランプ関税をきっかけに先行きが不透明になってきた(撮影:今井康一)

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「今の国際情勢から考えて無理だろう。たぶん続かない」――。

4月10日の中間決算説明会で、国内外でユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、トランプ政権が打ち出した相互関税を批判した。

アメリカが発動した相互関税をめぐっては、今も先行きが読めない状況が続いている。9日には、報復措置を取らず、アメリカの貿易赤字などの解決に向けて協議を要請した国に対しては90日間、一部の措置を停止すると発表。一方、10日、中国に対しては報復措置を取ったとして、関税率を145%に引き上げる追加措置を行うと発表するなど、さながら関税戦争の様相を呈している。

上期は国内外のユニクロが好調

こうした相互関税への不安とは裏腹に、10日に発表されたファストリの2025年8月期の中間決算は好調だった。

今上期(2024年9月~2025年2月期)の売上高は1兆7901億円(前年同期比12%増)、営業利益は3042億円(同18.3%増)と、いずれも2桁の増収増益で着地。国内外のユニクロ事業が業績を牽引した。これを受け、通期の営業利益見通しも当初の予想より150億円上積みし、5450億円(前期比8.8%増)に上方修正した。

他方、下期(2025年3~8月期)だけの見通しを見ると、やや様相が異なる。会社側は中国大陸・香港・台湾などのグレーターチャイナの業績不振により売上高で約150億円、アメリカの相互関税によるコスト増を主な要因として事業利益では約100億円の下方修正を行った。

結果として下期は売上高1兆6098億円(前年同期比6.9%増)と増収は維持するものの、営業利益は2407億円(同1.2%減)と、若干の減益を見込む。

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