親子同時襲名「尾上菊五郎」が11歳の息子「菊之助」へ伝えたい言葉。歌舞伎役者として生きる《宿命》、親子で乗り越える葛藤の日々
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尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎(右)と尾上丑之助改め六代目尾上菊之助 (写真:©岡本隆史)
江戸歌舞伎の大名跡・尾上菊五郎。5月、尾上菊之助改め「八代目尾上菊五郎」(47)と、息子の尾上丑之助改め「六代目尾上菊之助」(11)が同時襲名の運びとなり、歌舞伎ファンらが歓喜に沸いた。
音羽屋の新しい門出にあたって発行された襲名記念本『音羽屋三代 八代目尾上菊五郎 六代目尾上菊之助襲名記念』より一部を抜粋、再編集し、歌舞伎という世界に生きる父から子へ、受け継がれていく思いを紹介する。
息子、六代目菊之助へ
11歳での菊之助襲名。小さい体では受け止めきれないところもあると思います。
新菊之助はこの4月から小学校6年生。学校が楽しくてならないようです。アウトドアクラブに入ったり、仲のいい友だちとの学校行事を心待ちにしていたり。
それが、小学校最後の1年、なかなか学校に行けなくなってしまう。最後の運動会、最後の修学旅行、さまざまな〝最後〞に参加できない辛さがあるでしょう。

2016(平成28)年5月歌舞伎座『勢獅子音羽花籠』左より尾上菊之助(現・八代目菊五郎)に抱かれ、初御目見得となった寺嶋和史(現・菊之助)(写真:©松竹)
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