「謎肉祭」「クリエーターズあるある」「アオハルかよ」――。日清食品「カップヌードル」の広告やキャンペーンがSNS上で度々話題に上っている。
カップヌードルは、言わずと知れた日清食品を代表するメガブランドだ。日清食品の創業者・安藤百福が1971年に開発した世界初のカップ麺で、累計での販売食数は世界全体で400億食を超えている。ロングセラーながら、挑戦的で若者に響くマーケティングを続けられるのはなぜなのか。
たとえば、今秋期間限定で発売した「帰ってきたカップヌードル謎肉祭」では、食品メーカーであるのに商品名に「謎肉」と大々的に付けている。
そもそも「謎肉」とは、カップヌードルに入っている肉風味の具のことで、ネットユーザーがそう呼び始めたのが始まりだ。謎肉は人気を集めながらも、その原材料は発売から長く明かされていなかった。しかし発売46年目の今年、原材料は実は「肉と大豆」であると発表。あわせて通常より謎肉が多く入った同商品を発売したのだ。
カップヌードルの商品戦略を海外投資家向けに説明する際、同商品を英語資料で「ミステリーミート」と表記しようとしたところ「それはまずい(冗談が通じないかもしれない)」と問題になったという逸話もある。
最近では、カップヌードルのツイッターアカウントに投稿された「ミルクシーフードヌードル」の広告が話題になった。デザイナーが上司からの無茶な提案に全力で応えようとして迷走していく過程を描いたものだ。投稿は18万リツイート以上を記録した。
安藤社長「私には何が面白いのかわからない」
一連の“攻め”ぶりに、日清食品ホールディングスの安藤宏基社長は「私には何が面白いのかさっぱりわからない。もう勝手にやってくれ」と話しているという。
現場主導だからこそ面白い案が次々と出てきているといえるが、そのカップヌードルのマーケティングを統括しているのが、藤野誠ブランドマネージャーだ(以下、敬称略)。
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