「この授業は私語を推奨しています。みんなでワイワイガヤガヤ相談しながら進める授業なので、仲のいい人とグループを作ってくれて結構です」
机は4〜5人でグループになるように向かい合わせにセッティングされている。
「小冊子に5日分の課題があります。<問題>という課題についてはあとで解答を渡します。しかし<研究課題>という課題については、解答は渡しません。解説もしません。わかるまで自分で考えてください。ただし1人で考えていてもらちが明かない課題が多いですから、積極的に友達と相談してください。
数学の知識を増やすのではなくて、みんなで考えましょうという授業です。授業が終わってからも考えて、あとから質問に来てくれるのはOKです。考えてもわからなくて、行き詰まってしまったら、ブロックで好きなものを作ってくれてもいいです。意外とそんなことをしているときにひらめいたりしますから」
レゴ®ブロックを使って数学の問題を考えることで、「紙では不自由な3次元での思考が容易になる」「(区別する目的で)色を積極的に利用できる」「かけ算(面積・体積)との相性が極めてよい」「数学の重要な考え方を、視覚と触覚を通じて記憶に残しやすくなる」などのメリットがあるという。
ブロックとしてつなげて使うだけでなく、単に配置したり、立てかけたりと、解く問題の種類によって使い方も変わる。
素因数分解をブロックで表現
初日のテーマは「素因数分解と指数法則」。簡単にいえば、約数や倍数にまつわる問題だ。最初に本日のブロックの使い方を説明する。たとえば360は、「2の3乗×3の2乗×5」と素因数分解できる。そこでブロックを素数に見立てて、[2 2 2 3 3 5]のように並べる。黄色のブロックを2、赤のブロックを3、青のブロックを5だとすれば、360は[黄 黄 黄 赤 赤 青]と表現できる。
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