これが最小公倍数を求めるためのすだれ算の原理である。小学校時代以来の謎が解けたという人も多いのではないだろうか。
ブロックから発想を得て中学入試問題を作ることも
ここまでで約90分。授業の半分の時間が終わった。10人程度が答えにたどり着いた。しかし、授業の中で<研究課題1・1>の解説はしない。授業中に解けなかった生徒は授業が終わってから続きを考えることにして、次の指数法則の問題に進む。
同様に、2日目は「自然数のかけ算と面積図・樹形図」、3日目は「規則性の発見と数列の和」、4日目は「色と点と線で考える」、5日目は「数える数学」というテーマについて、ブロックを用いて考える。
テキストをめくると、ところどころに、聖光学院の中学入試で出された問題が、実はブロックから発想を得て作られたものであったことなどが種明かしされている。
名塩教諭自身、聖光学院の生徒だったときに数学オリンピックに興味があった。しかし当時の聖光学院には数学オリンピックに対応するためのノウハウがなかった。教員や先輩たちから指導を受けることができる他校の生徒たちを見てうらやましいと思った。それがきっかけでこの講座を思いついたというのだ。
講座が人気になると、数学が得意でない生徒も参加してくれるようになった。そういう生徒でも楽しく数学への理解が深まる方法はないか模索していたとき、3年ほど前に、積分の概念をブロックで説明できることに気づき、「これだ!」と思った。それからさまざまなシーンでブロックを活用するようになった。
「手を動かしながらじっくり考える過程で得られるいろいろな発想を、数学以外の領域で生かせるようになってもらうことが最終的な目的です。特にレゴ®ブロックは無意識に手を動かしてできるオブジェが、意外とデザイン性に富んでいることもあるので、その意味ではアートとも結び付くと思っています」
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