「素材は着心地と通気性を考えると綿100%がいい。また手入れのことを考えると“形態安定シャツ“といわれるノーアイロンでもシワなどがつきにくいシャツもおすすめです。最近は綿100%のシャツに薬品加工をして形態を安定させたものが多く、かつてのような綿混紡で質感の悪い形状記憶シャツは減っていますしね」(吉田さん)
シャツの色柄は3着のスーツとの合わせやすさと無難さを考えると、やはり色は白の無地がメインで、青系や主張のないストライプ柄を数枚入れるのがいいだろう。
そして襟型は、最初のうちはレギュラーカラーか、襟の開きが大きいワイドカラーから選んでおきたい。襟の先にボタンが付いた、ボタンダウンカラーもポピュラーだが、ネクタイを締めたスーツスタイルに合わせることを考えると不向きだ。そもそもボタンダウンはカジュアルな印象になるため、年配の上司や、ファッションにこだわりを持つ取引先などから「きみ、わかってないね」「それなら、ジャケットと靴もカジュアルにしたほうがいい」などと余計なお叱りや、うんちくをたたき込まれるかもしれない。ありがたいが、面倒も多いので、ひとまず避けたほうがよさそうだ。
「襟の長さ」に気をつけて!
もっとも、ボタンダウンのシャツはノーネクタイのときに襟元がとても収まりがよく清潔感も出せる。すぐにクールビズシーズンがくることを考えると、夏場のスタメンとして何枚か追加で持っておいてもいい。
「むしろ気をつけてほしいのは“襟の長さ”ですね。若い方は普段着ているカジュアルシャツの感覚で襟幅の短いものを選びたがる人も多い。けれど、襟が短いとスーツのラペル(ジャケットの折り返し部分)にうまくおさまらなかったりして、あまり美しいとはいえなくなる。しっかりとラペルにおさまるほどの襟を選んでほしいですね」(吉田さん)
シャツに合わせるネクタイは、最低でも3本は欲しい。素材はシルク100%のものを選びたい。ネクタイの色はネービー、ブルー、赤系などが冒頭で紹介した3種類のスーツと合わせやすいだろう。柄は無地やレジメンタルストライプ、あるいは小さめのドットや小紋柄など。スーツ同様、あまり主張しないものを選ぶようにしたい。
加えて、あとは靴とベルトが必要になるが、ひとまずそれぞれ黒と茶を用意して黒い靴のときは黒いベルト、茶の靴には茶のベルトと合わせるようにすれば、手持ちの3着のスーツと間違いなくコーディネートできる。
ただ靴はスーツ同様に、1度履いたら中2日は休ませないと、くたびれ具合が速くなるので、黒2足、茶1足の布陣で、合計3足あると使い勝手がいい。
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