ここ最近の株式相場の下落が日本中を騒がせています。しかし、アベノミクスブームはまだまだ続くとの見方には根強いものがあります。投資家だけでなく、企業や個人まで日本中が浮き足立っている様が感じられます。そして、同じくソワソワしているのが、転職市場です。
そもそも最近の若手社員は「転職」について、どう考えているのでしょうか? 転職はタイミングによって環境が大きく変わります。環境を示す重要な指標のひとつが『求人倍率』。
・求人倍率が高いと転職活動は強気(売り手市場)⇒人材の流動化が加速する
・求人倍率が低いと転職活動は弱気(買い手市場)⇒人材の流動化が進まない
売り手市場だと転職して待遇アップ、職場環境が改善される可能性が高いので、転職市場には活気が生まれます。ちなみに求人倍率とは、求職者(仕事を探している人)1人当たり何件の求人があるかを示すもの。
数値的には「倍率1.0」に境界線がある、と言われます。1.0を超えると売り手市場、逆に1.0を切ると買い手市場。1.0を割り続けると失業率は大幅に悪化して景気が低迷していることを示します。事実、空洞化が進み、閉塞感にさいなまれている地域では、求人倍率が1.0を割っています。
最も人生に影響を与えるのは、学生時代の求人倍率です。その後、何度か転職するにせよ、人生で最初の就職活動の苦労度合いや結果により、その後のキャリアが大きく変わるからです。
求人倍率が1.0を切っていた時代に就職活動をした学生は、「大学は出たけれど」と言われるくらいに苦労します。
古くは1980年代のバブル景気前。あるいは2000年前後の就職氷河期と呼ばれた時代がそれにあたります。意外に思われるかもしれませんが、新卒採用の求人倍率はすでに「売り手市場」に突入しようとしています。
ちなみに来春2014年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.28倍と前年(1.27倍)とほぼ同じ。つまり、学生が選り好みしなければ、内定を取れる求人数が十分にあるのです。にもかかわらず『学生の就職難』が叫ばれるのは、
《大企業志向の学生が増え過ぎてしまった》
つまり、求人ニーズとのミスマッチが原因です。
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