どの職場にも「あそこで働きたい」と社員があこがれる人気の部署があります。業種業界によって違いはありますが、よく耳にするのは研究開発・あるいは企画・商品開発・経営企画・営業推進・販売促進などでしょうか。
ちなみに当方がリクルート社に入社したときに憧れていたのは営業企画でした。企画という言葉はクリエイティブでカッコよく見えたからであったと記憶しています(詳しくは後述します)。
ところがあこがれの部署ではなく、営業部に配属が決定。辛くて地味な仕事に見えましたので大きくガッカリしたのを覚えています。では、それらの部署があこがれの部署に“選ばれる理由”はどこにあるのでしょうか?20代の社員に訊ねてみると、
「たくさんの人と出会えそう」
「楽しそう」
「見識も高まりそう」
と他力本願で、いかにも能天気な回答が返ってきました。思わず、
「現実を知らない、甘いやつらだ」
と言いたくなる先輩諸氏もいることでしょう。ただ、社会の荒波にもまれる前のほほえましい段階ゆえと、寛容な気持ちでお許しください。5年、10年とキャリアを積んでいくと、登場する人気部署こそ似たようなものですが、あこがれの部署を選ぶ“理由”は、現実的なものに変わります。圧倒的に多いのが
《専門性を高めて長く働ける部署にあこがれます》
という回答。世間では人材の流動化も叫ばれますが、
《安定した将来を確保するために、仕事選びをしたい》
と願うからなのでしょう。ただ、ひとつ考えていただきたいことがあります。専門性を高めると、「同じ部署」で「長く働く」ことはできるのでしょうか?
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