「専門性を磨けば、キャリアは安泰」のウソ

突然の人事異動にガッカリしているあなたへ

ただ、ここで冷静に考えてみましょう。Gさんが今後も長く、営業企画部でキャリアを積み上げることはありうるのでしょうか? あるいは、そこまで営業企画部門での専門性を高めることを期待されているのでしょうか?

その答えは、ノーとしか思えません。それはなぜか? 詳しくはまた後ほど述べるとして、ここではもうひとつケースを紹介しましょう。

製造業の人事部に勤務しているSさん(27歳)。配属されて3年。それまでは管理部に勤務していましたが、日々成長しているという実感を持てず、悶々とした日々を過ごしたそうです。ところが人事部に異動して、仕事に対しての興味が深まり、

「できるだけ長く、この仕事に関わりたい」

と感じるようになりました。ちなみにSさんの役割は新卒採用の選考。主な業務は、

・採用セミナー等での司会進行
 ・1次面接対応
 ・内定した学生対応

です。ただ、この業務だけを極めても、人事部で長く仕事をすることが難しいのは先輩社員の仕事ぶりをみていれば明らか。3つ上の先輩は、研修関連の仕事をすべて仕切っています。さらにもう1人の先輩は、労務関係の仕事をすべて任されており、社労士の資格も取得済み。

Sさんも、早く人事業務で専門性を高めないと、自分の居場所がなくなる……との危機意識から、専門性を高める努力を日々続けていました。ところがタイムオーバーとなってしまったようです。営業職への異動が内示されたのです。

Sさんは、

「どうして人事部を異動しなければならないのでしょうか?」

と文句を言ったようですが、後の祭り。現在は関西の営業所で営業の仕事に従事しています。おそらく「人事の仕事を続けたい」と願っているので、転職活動を始めたはずです。うまく転職先が決まればいいのですが……。

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