「専門性を磨けば、キャリアは安泰」のウソ

突然の人事異動にガッカリしているあなたへ

実は、会社にとって、専門家はリスク

さて、世の中では専門性を高めて、キャリアを積み上げるべきだと言われています。会社が職場で求める人材の要件が高度化し、専門性が高まってきたことは紛れもない事実です。その意味では、専門性を高めることを真っ向から否定はしません。

たとえば、先ほどの営業企画部のGさん。外部にメディアの予算を発注するだけでなく、Webを活用するためのマーケティング手法などを求められる時代になりました。あるいは人事部にいたSさん。新しい採用手法への取り組みや、人材育成から労務管理まで専門性を高めようとすれば、莫大な時間がかかる仕事でもあります。そういう観点からも、長く同じ部署で勤務させたほうがよかったのでしょうか?

仕事柄、これまで多くの会社を見てきましたが、同じ部署で長く勤務して、同じ仕事を極めることを期待している会社は、実はまずありません。なぜなら、長期間、同じ仕事を任せることは、会社にとって”リスク”だからです。たとえば、

・業務の特殊性が高まり、引き継ぎが難しくなる
 ・任せっきりによる業務監視機能の低下

といったリスクをはらむことになります。ゆえに、同じ部署で同じ仕事を続けさせるのではなく、一定期間で異動をさせる会社が多いのです。同じポジションでいさせるのがリスクであるのなら、同じ部署のまま立場(役職)を上げることができればいいのですが、それも簡単ではありません。

営業企画部で現場の仕事を極めた人材が、営業企画部長になれるのでしょうか? ちなみに、いろんな会社で営業企画部長になった人の経歴を調べてみると、大半は別の組織からやってきた人材でした(Gさんの上司も、営業部門から部長職で異動してきた人)。

逆に営業企画部で経験を積んで専門性を高めた人を追ってみると、

・ポストが上がらないまま営業企画部
 ・別の部署へ異動して、別の仕事をしている

といったキャリアが見えてきます。つまり、専門性を高めたとしても生かされていないことが多かったのです。さて、どうしてでしょうか?

希望の部署でなかったからこそ、身についたスキル

ここで当方の体験談をご紹介します。入社当時は営業企画を希望しましたが、配属は営業部門。まったく希望していない仕事でした。さらに言えば営業職は仕事として専門性を高めるほどのものではないと、嫌ってさえいました。

そこで、なんとか、早く営業部門から離れるために、“嫌いな営業の仕事”に邁進したところ、想定外のことが起きました。(好業績を出せば希望部署に移れると人事部は言っていました……でも、本当は違いました)

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