正社員だと思っていた同僚が、実は非正社員だった――。そんな経験、みなさんもしたことがないでしょうか。
正社員と非正社員が”渾然一体”となった現代の職場では、過去にはなかった、さまざまな問題が起きています。今回はそれらについて考えてみたいと思います。
日本の職場で働いている就業者は(役員を除けば)、ざっくり正社員と非正社員に分けて考えることができます。正社員とは、雇用契約上で特別の取り決めなく雇用されている人のこと。雇用期間の定めがなく、解雇についても厳しく制限されている、ある種“守られた”待遇の人です。
正社員は長年、職場の中核戦力として位置づけられてきました。会社のおカネで社内教育や研修を受け、徐々に大きな仕事を任され、昇格して役職者になったり、昇給するチャンスも与えられてきました。ところが最近、
「正社員も、これまでのように安穏としていられない」
と、危機感をあおる記事を多く見るようになりました。衣料品大手「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、全世界の正社員と役員の賃金体系を統一する方針をぶち上げ、「正社員でも年収100万円しかもらえない可能性がある」と言い出したこと。あるいは正社員を解雇しやすくなる法改正の動きなどがあるからでしょう。
生涯年収で1億5000万円の差
とは言え、基本的には
正社員=終身雇用、年功序列など安定収入のある立場
の意味合いが急速に変わるとは、到底思えません(中長期的に構造変化はあるでしょうが)。
一方、非正社員。アルバイト・パート・派遣社員など有期雇用による勤務形態を指します。正社員と比較した場合、
1. 待遇面で差が大きい
(例:給与が低い、退職金がない、有期雇用のため将来が不安定)
2. キャリア形成の仕組みが整備されていない
(例:昇進・昇級のルールがあいまい、技術の蓄積ができる仕事を任せられない)
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