ゆとり世代は、転職ブームに乗らない?

「3年で辞める若者」は復活するか

マイナビ大学生就職意識調査によると、大企業の求人が減少したことに加えて、キャリアセンターの指導などにより、大手企業志向は減少傾向に向かいかけていました。ところが2013年卒から内定率が改善、アベノミクス効果で株価が好転しているなどの報道なども受け、

《大手企業志向は前年比5.1ポイント増の41.2%》

と、なっています。今後、学生が大企業の求人にばかりに集まるミスマッチが加速することが想定されます。

不況ネイティブは、どう動く?

ここから本題の転職について考えていきましょう。前提として、若手社員は学生時代に大企業志向が刷り込まれています。それはなぜか? 背景にあるのは、将来に対する不安です。

生まれてこのかた、日本経済が右肩下がりに落ちていく様を目の当たりにしてきたのです。われわれ、40歳以上の世代のように、高度経済成長の名残やバブルの栄華を経験していません。逆にリストラされる父親の苦労に遭遇した人も少なくありません。ゆえに

「少しでも手堅い会社=大企業に勤務したい」

との願いで、終身雇用も夢ではない大企業(従業員5000名以上)の会社に就職をしたがるのです。そして、希望をかなえた学生たちは入社すると「新卒で入社した会社に生涯勤務したい」と宣言します。ただ、希望どおり会社に就職できた人はごくわずか。それでも「今より安定した会社に勤めることはできないだろう」と、転職せずに現状でガマン……と考える人が大半でした。

ところがここにきての、アベノミクスブーム。突如、売り手市場になったのです。今の会社より安定性が高く、最初の就職活動で落ちた会社に再び応募できる可能性が出てきました。さて、こうなると若手社員はどうするのでしょうか?

この問いに対して、

「ゆとり教育の影響で、若手社員は保守的。だから、そうそう転職はしないだろう」

という声をよく聞きます。が、つい5~6年前の若手社員の転職志向について、振り返ってみてください。当時は、

《若者が3年で辞めること》

が社会問題として注目された時期。城繁幸氏が書いた『若者はなぜ3年で辞めるのか?』がベストセラーになりました。厚生労働省が発表した統計データ(2009年)によると、大学を卒業後、就職した若者のうち、3年以内に会社を辞めた人が約3割。

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