”まじめ力”だけでは、真の一流にはなれない

西武・秋山に見る、トップに登り詰める条件

横浜創学館高校、八戸大学出身の秋山は、いわゆる野球エリートではない。そんな秋山が西武の外野でレギュラーをつかむことができたのは、プロでもトップレベルの強肩&俊足という武器と、“まじめ力”を備えているからだ。

プロ入り1年目の2011年シーズン開幕戦で、秋山は球団の新人外野手としては30年ぶりとなる先発出場を果たした。この年は打率2割3分2厘と打撃の調子は思うように上がらなかったものの、守備力を買われて110試合に出場した。

「野球をなめんかぎり、いい選手になる」

シーズンオフからバットを振り続け、2年目の12年には打撃面が大きく改善された。開幕こそ負傷で出遅れたものの、それが“ケガの功名”につながる。シーズン序盤に二軍で調整している頃、『イースタン・リーグ観戦ガイド2012』に掲載されている秋山の打撃写真を見た土井正博ヘッド兼任打撃コーチ(当時)から「この形のイメージでいけ」とアドバイスを受けた。当時の秋山には体が前に突っ込むクセがあり、土井コーチはそれを矯正しようとしたのだ。

この一言が大きかったと、秋山は振り返る。

「去年(11年)よりバットのグリップの位置を下げました。ボールをたたこうとしてもしょうがない。3塁ベンチから見たとき、(インパクトの前の構えが)上半身と下半身が『人』の字に見えるように。右肩が下がると、脇が上がります。キャンプから『(両肩を)水平にしろ』と言われてきて、土井さんに『この構えだ』と言われてイメージできるようになりました」

周囲の誰もが、「秋山はまじめ」と口をそろえる。昨季前半には、土井前コーチがこんな話をしていた。

「2年目のジンクスがある人とない人がいるよね? 1年目に経験を積んで、2年目に上がってくる人もいる。秋山はまじめ。キャンプからバットを振ってきた強さが出ている。練習はウソをつかない。野球をなめんかぎり、良い選手になる。将来的にクリーンアップを打つ力がある」

“まじめ力”は秋山の才能で、非エリート校からプロのレギュラーにまで登り詰めた原動力だ。しかし、秋山が本当のトップにたどり着くためには、ここにプラスアルファを加える必要がある。求められるのは、“非まじめ力”だ。

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