なぜ私は、新日本プロレスを買ったのか?

木谷高明・新日本プロレス会長を直撃(その1)

 グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを縦横無尽につづる。
熱狂的なプロレスファンである木谷高明・新日本プロレス会長。カードゲームなどを手がけるブシロードの社長も務める。

前回のコラムでは、新日本プロレスの経営改革について、プロレスの歴史などと絡めながら、分析を行った。その続編として、本日から4日連続して、木谷高明・新日本プロレス会長への直撃インタビューをお届けする。

プロレスは、独占できるカードゲームコンテンツ

キム:本日は、よろしくお願いいたします。まず、ゲーム会社のユークスから新日本プロレスを買収されて1年弱が経つわけですが、買収の経緯を教えていただけますか。これは、急に来た案件だったのでしょうか、それとも、以前から「買いたい」という要望を出されていたのでしょうか?

木谷:ユークスに昔からの知り合いがいまして、その方が子会社である新日本プロレスに移ったんです。それがきっかけで、何回かプロレスの大会のスポンサーをさせていただきました。2011年の5月5日には、新日本プロレスなどからレスラーを派遣してもらい、「ブシロード・レスリング」という大会も開きました。

これらがけっこう好評だったんで、ちょっといけるかもな、と思ったんです。

格闘技はかなり下火になっていますが、「プロレスだったらキャラクターコンテンツとしていけるのではないか」と以前から思っていました。そして実際に一昨年、プロレスの試合を何試合かスポンサーしてみて、やっぱりいけるな、と。これがビジネス面から見た買収の理由です。

プロレスのコンテンツは横展開できる

木谷:プロレスにとって問題なのは、ビジネスとしての盛り上がりです。たとえば、テレビ朝日は、深夜ではありますが、地上波でプロレスを放送し続けていますが、これは僕から見ると不思議でした。

キム:いったいこの深夜に、誰がプロレスを見ているのか、ということですね。

木谷:実は、深夜にもかかわらず、視聴率はそれなりにとっているんですよ。ただ、なぜ放送しているのかわからないぐらいまで、落ち込んでいたわけです。だから、このまま放っておいたら、格闘技もプロレスも、日本ではメジャーなものはなくなってしまうんじゃないかという思いがありました。格闘技とプロレスのどちらを救い上げるかといったら、プロレスのほうをやりたいなと。

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