新日本プロレスの買収価格算定
キム:今回の買収価格は5億円と発表されていますが、どのように値段を算出されたんですか。利益を基に算出されたというより、ブランド価値はこのくらいだろう、といった形でしょうか。
木谷:正確に言うと、買収金額は、5億円でも5000万円でもよかったんです。実は、買い値は5000万円です。株の買い取り価格が5000万円で、残りの4億5000万円は、債務を引き継いだだけなんですよ。これは決算書を見ればわかる話ですが、ユークスさんには8億円強を債権放棄していただきました。
キム:ユークスが新日本プロレスに貸していた債務を?
木谷:そうです。
キム:すると4億5000万円の部分は、株でも債権でもユークスに5億円がキャッシュで行くという意味で、どちらでもよかったということなんですね。
木谷:そうです。だから、発表金額は5000万円でも5億円でもどちらでもいい、と言われたんです。ただ、5000万円と発表すると、「そんなに安く買えるのか」と思われるので、5億円と発表したわけです。
マーケティング強化とカードゲームとのシナジー
キム:ただ、ユークスがそれだけ債権放棄で泣くということは、新日本プロレスの経営は上向かないというふうな経営判断があったからだと思うんですが。
木谷:ユークスさんとしては、経営をシェープアップしたかったんだと思います。新日本プロレスの売却で、特別利益も出て、キャッシュも入ったわけですし。
実際、新日本プロレスの経営を上向かせるにしても、一気にやろうと思ったら、けっこうおカネをつぎ込まないといけないんです。われわれも買収してから、今年1月4日の東京ドーム大会までに合計3億円以上は使っています。ほとんどは宣伝広告費です。その中には、『キング オブ プロレスリング』という対戦型カードゲームのプロモーション費用も含まれています。
キム:このプロレスのカードゲームはいつ頃から始められたんですか?
木谷:2012年の10月です。最初は売り上げよりも宣伝費に何倍もおカネを使っているような状況でした。
第2弾では、OBのレスラーや外国人レスラーも入っていて、注文状況もすごく好調です。このカードを使ってオンライン対戦を楽しむには、会員登録が必要なんですが、すでに登録数は1万5000人ぐらいまで増えています。毎日5000〜6000人がオンラインで対戦しているんですよ。
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