ミシガン・ロスの授業では、バンヤンツリー社がアジア各国でどのようにCSR(企業の社会的責任)を果たしているか、という事例が取り上げられた。
同社は、「環境を慈しみ、人に自立の力を与える」をミッションとして、アジア文化の継承や、環境保護運動、地域での雇用の創出、などに積極的に取り組んでいて、CSRを実践する模範的な企業と言われている。
授業で紹介されたホー氏のリーダーシップ論は次のような内容だった。
「リーダーとは、人々の人生に対する深い畏れや不安を、『希望』に変えることができる人です。人々に『この人についていけば、自分や家族のためによりよい人生を送ることができる』『誇りを持って企業やコミュニティで働くことができる』と希望を与えること。それが私の仕事だと思っています」(ホー・クウォンピン氏)
西川さんは、若い頃は投獄されるような逆境にありながら、そこからアジアを代表する実業家となったホー氏の生き方を知ったときに、理想のリーダーに出会ったと思ったそうだ。
「留学中、ずっと『自分にとってのリーダーシップとは何だろう』『どんなリーダーになりたいんだろう』と考えていました。コンサルティング業界は、一般的に『長時間労働やストレスフルな環境を乗り越えてこそ一人前』という風潮があります。それに何となく疑問を持っていても、自分の目指すリーダー像が分からなかったんです。
でもホー氏のことを学んで、心から共感しました。『周りにいる従業員や地域の人々を幸せにできるリーダー』こそ、自分が目指す道だと確信しました」
西川さんが目指していたリーダーは、欧米ではなく、アジアにいたのだ。逆境を乗り越えたがゆえの、人々を幸せに導くリーダーだ。
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