企業事例に、あなたが登場しなさい
携帯電話での現金決済システムを提供する会社に勤める、ミシガンの先輩にインタビューしたときにも、すがすがしいほどのポジティブさを感じたという。西川さんたちが、「インドでは、携帯電話での決済システムはまだ普及するまでに時間がかかりそうですよね。市場はあるんですか?」と聞いてみたら、こんな答えが返ってきた。
「アメリカで就職しようかと思ったけど、インドのほうが景気がよさそうだから、戻ってきたんだよね。現金決済システムの市場? 今は全然ないけど、大丈夫! 絶対、伸びるから! ハハハ!」
自国の成長への絶対的な自信と、成長へのエネルギーは、日本では感じられないものだったという。
しかし、西川さんは元コンサルタント。クライアントのゲーム会社に対して「イケイケだから、インドへ進出しましょう!」とは言えなかったそうだ。
「インドでゲームはまだまだ高級品で、庶民は買えません。またオンラインゲームをするインフラも十分に整っていないことがわかりました。GDPが成長しているからといって、そこに市場があるとは限らないんですね」
西川さんたちの具体的な調査結果にクライアント企業は、とても満足していたという。
インドを訪問するまで、新興国にはあまり興味がなかったという西川さん。このプロジェクトの後、「インドにかかわる仕事をしてみたい」と思うようになった。
就職先の候補として、日本のコンテンツ企業を考えるようになったのも、このプロジェクトの影響だ。将来、アジアへの進出プロジェクトにかかわりたいと思っている。
「この2カ月のコンサルティングプロジェクトは、『企業事例を座って勉強するだけではいけない。実際に企業で働いて、自分が企業事例の中に登場しなさい』というのをミッションとして掲げています。座学では得られないリアルな影響を受けたことは間違いありません」
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