今や“人類に残された最後の成長大陸”と言われているアフリカ。なかでも、サブサハラ(サハラ砂漠以南)には大きな潜在力を持つ国が多い。
その代表格がエチオピアだ。人口9950万人とアフリカ大陸ではナイジェリアに次いで人口が大きいエチオピアは、過去10年間連続で約10%の経済成長を達成、2014年の経済成長率は10.3%で世界1位を記録した。
首都のアディス・アババは、市内に電車が走り出したことでトタン住宅が密集するスラムの町という印象だった都市から、アフリカ連合(AU)の首都という名に相応しい都市となっている。
エチオピアの実態を現地から報告する連載の第1回は、急成長に沸くアディス・アババ市民の声を中心にリポートしていきたい。
真新しい電車で通勤するようになった
昨年9月、人口約330万人のエチオピアの首都アディス・アババで、同国史上初となる電車ライト・レールが運行を始めた。
地元の人たちが“メトロ”と呼ぶこのライト・レールはサブサハラでは初めての導入で、総工費4億7500万ドル(約520億円)、エチオピア政府肝いりのプロジェクトだ。2―4両編成の電車はアディス市内を東西・北東にそれぞれ17キロずつ2路線、各路線約20駅を結ぶ。運賃は1回の乗車当たり2—6ブル(1ブル=約5円)。それまで古いトヨタのハイエースの乗り合いバスに頼っていた多くのエチオピア人が真新しい電車で通勤するようになった。
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