アフリカを覆う「難民問題」の厳しすぎる現実

報道写真家が現地で体験したこと

1歳半の娘のアホロちゃんの亡骸を抱いて墓地へ向かうモハメッドさん

世界で過去5年間だけで15の紛争が勃発・再発し、暴力や地球温暖化による食糧危機によって家を追われた人々の数は急増している。この人々の強制移動は近年拡大し、UNHCR(国連難民高等弁務官)によると、2014年における難民の数は5950万人と過去最多だ。世界中で122人に1人が難民になった計算になる。

2013年の難民の数は5120万人で、1年間に増えた人数としても最多。この急増は2011年に始まったシリア紛争が要因だ。

シリア難民については、日本でも毎日のように報道されおり、よく知られているが、複雑な問題はほかにもある。シリア内戦からかなり前、そして現在も深刻な難民問題を抱え続けているのがアフリカだ。

アフリカにおける難民とは?

筆者はアフリカで合計8年ほど写真撮影をしてきた。私の脳裏には、これまで出会ってきた人たちの顔の幾つかが焼き付いている。

2011年夏、私が訪れていたソマリアとの国境沿いにあるエチオピアのドロ・アド周辺の難民キャンプでは、国連機関や人道支援のNGOが、その年2倍に膨れあがった人口の対応に追われていた。「アフリカの角」と呼ばれる一帯では「過去60年間で最悪」という食糧危機が発生、1200万以上の人々が飢餓にさらされ、ソマリアから隣国のエチオピアとケニアへの難民流出が起きていた。

ドロ・アドに到着した翌日、私は1歳半の娘のアホロちゃんの亡骸を抱いて墓地へ向かうモハメッドさんの写真を撮っていた。死因は栄養失調と脱水。彼女を含む家族8人は、家畜とすべての食物を失って故郷のモデルタ村を離れ、干ばつで荒廃したソマリア南部を30日かけて横断し、ドロ・アドにたどり着いた。

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