アフリカを覆う「難民問題」の厳しすぎる現実

報道写真家が現地で体験したこと

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コンゴ民主共和国の金鉱で働くエリック君

コンゴでもうひとつ忘れられない顔がある。それは、金鉱で働いていた少年のドロで汚れていた顔だ。出会ったエリック君に年齢を聞いたところ、自分の年齢を知らないと言う。

金鉱で働く少年達は、1日の重労働と引き換えにバケツ数杯の土砂をもらう。その中にわずかな金を見つけると、密業者に持ち込む。買い取り価格はもちろん最低水準、食費と生活費に消えていく。少年の幼げな表情と呼ぶべきものが、エリック君の顔から消え去っていた。だがそこには、無意識のうちに、何とかして子どもらしい笑顔を見つけようとする自分もいた。

コンゴの金のほとんどは、隣国のウガンダやブルンジに流れていき、多くの仲買会社によって、違法であることを承知で買い取られていく。以前ウガンダに密輸された金の多くは、スイスの精錬業者によって買い取られていたが、国際的な批判が高まり、その流れはストップした。しかし、世界の需要を満たすために新たなルートが出現。現在はアラブ首長国連邦の最大都市のドバイ経由で世界に流れる構図がある。天然資源はコンゴの一般国民にとって「災いの根源」ともいえる一面を色濃くもつ。

ベルギーのレオポルド2世統治下で天然ゴムと象牙、植民地時代からモブツ大統領による独裁政権を経て、その後繰り返された紛争では、金、ダイヤモンドとコバルトが、コンゴにおける紛争の「火薬庫」となっていた。広島に落とされた原子爆弾のリトル・ボーイに使われたウラニウムもコンゴ原産のもの。その中でも、近年注目されているのがコルタンである。

携帯電話、ノートパソコン、ゲーム機などの電化製品に欠かせないコンデンサーなどに使用される希少金属。世界で使用されるほぼ20%は、コンゴの東部から掘り出され、世界埋蔵量の80パーセントはコンゴの地下に眠っていると推定されている。

Blood Diamondを巡る紛争

紛争地で掘り出されたダイヤの呼び名「Blood Diamond(血に染まったダイヤモンド=紛争ダイヤ)」はよく知られているが、コンゴから掘り出された金やコルタンは「Blood Gold」、そして「Blood Coltan」だ。

携帯電話、コンピュータやゲーム機においても世界有数の生産・消費大国である日本は「ブラッド・コルタン」の紛れもない受益者であり、日本を含めた先進国の「需要」という名の欲望が、天然資源を巡る武力闘争をコンゴのジャングルで加速させ、ただでさえ過酷な生活環境に苦しめられている地元住民の命を奪っている。世界には天然資源が豊富にありながら貧しい国が数多くある。

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