アフリカのスラムを変える小さな日本企業

スラム出身の若者と二人三脚!

アフリカのスラムを変える日本人たちがいます(写真はパトリックさん)

前回はこちら:ケニアに学びたい、一歩進んだ「性教育」

前々回はこちら:日本流マネジメントは途上国医療を変えるか

 

「ここは、KCCスラムです」。案内してくれたパトリック・ジェトマーク・ミルカさんが、さらりと言う。「スラム」という言葉にちょっとドキッとする。「現地の人も、そう呼ぶのですか?」と尋ねると「はい」とあっさりした答えが返ってきた。

ケニアの首都、ナイロビから車で1時間半の場所に位置する人口約20万人の中規模都市、ナイバシャ。その郊外にあるKCCスラムで、パトリックさんは生まれ育った。6歳の時に両親が離婚、母はひとりでパトリックさんを含む4人の子どもを育てあげた。

中学・高校になると母を助け、3人の妹たちを養うため、パトリックさんも働き始めた。仕事が忙しくて中学・高校の授業に出られなくなり、日本の大学入試センター試験に該当する卒業認定試験のスコアはふるわなかった。政府の奨学金を得るには好成績でなくてはいけない。自費で学費を払うことはできないため、大学進学を諦めた。

人生を変えたある日本女性との出会い

高校卒業後は、地元でゆで卵やソーセージを売るビジネスを始め、スラムで自営業をしていたパトリックさん。その傍ら、国際NGOの活動に関わり、真面目さと有能さを評価したアメリカの宣教師団体にスカウトされ、通訳兼コーディネーターとして働くようになったという。

澤田霞さん(写真右)と店長のアンさん(写真左)

彼の人生を決定的に変えたのは、ある日本女性との出会いだった。澤田霞(さわだかすみ)さん。澤田さんは大学卒業後、青年海外協力隊員として、セネガルで活動、現地で野菜流通経路の構築を手がけた。協力隊員としての任務を終えた後もアフリカで働きたい気持ちが強く、もうひとりの日本人とともにケニアでマーケティングコンサルティング会社「アフリカスキャン」を創業。昨年春からケニア支店長として働き始めた。

「ケニアに来たばかりの頃、現地の消費者を深く理解するため、ケニアのあちこちで家庭訪問や泊まり込みの調査をしていて、パトリックと知り合いました。調査などで協力してもらい、とても優秀だったので、元の職場から引き抜きました」

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