なぜ今、ビジネスマンに仏教が必要か

僧侶がMBAを取ったワケ

皆さんこんにちは。この連載を担当させていただきます、松本紹圭と申します。浄土真宗本願寺派、東京神谷町、東京タワーのすぐ近くにある光明寺の僧侶です。「MBA坊主の”仕事に活きる仏教”」ということですが、なぜ坊主から仕事の話を聞かなければならないのかと、疑問に思われる方もいらっしゃることでしょう。初回は、自己紹介とともに仏教について、簡単にお話したいと思います。

コンビニとお寺、多いのはどっち?

まず、読者の方にお伺いしたいことがあります。国内にお寺は何カ寺あるかご存じですか?答えはこの後、お教えしますが、ヒントは、日本全国にコンビニが約4万店、ガソリンスタンドが3万5000店ということ。実はお寺はコンビニやガソリンスタンドと比較されるほど、身近な存在なんです。ところが、大半の方々はコンビニやガソリンスタンドを圧倒的に多く利用していることでしょう。

ではどうして日々の生活の中でお寺は縁遠くなってしまったのでしょうか。過去を振り返れば、仏教は日本人の生活の中に長らく息づいてきました。私の宗派の浄土真宗は親鸞聖人の750回忌の大法要を迎えました。750年です。企業でも地方自治体でも、日本中どの業界を見渡しても、これほど歴史のあるところはほかにないのではないでしょうか。

「歴史も伝統もあって、日本中に広まっているのに一般の人にはイマイチ認識されていない」。ここに私が僧侶を目指したきっかけがあるのです。

では、なぜお坊さんになった後にMBAをとったのか。

一言でいえば「お寺を変えたい」という思いからです。仏教が好き。でも、現代のお寺を見ていると、仏教の良さがぜんぜん活かされていないし、伝わって来ない。じゃあ、どうすればお寺を変えられるのか、どうすれば参拝者をたくさん呼べるか。そのためにはマネジメントの勉強が必要だと考えたからです。

MBAのマネジメントの手法をお寺の運営にどう活かすか。これは後々、話すことになります。ですが、お寺を「会社」ととらえた場合、参拝者は「お客さん」。顧客のニーズを「苦」ととらえるならば、「マーケティング=慈悲」と考える。これがヒントになりそうです。

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