「キャリアアップ信仰」という名の地獄

知らないうちに陥っている?

キャリアアップ地獄に陥っていませんか?

自分の人生、これでいいのだろうか? 私はときどき、ビジネスマンの知り合いからキャリア相談を受けます。新聞の紙面にもリストラ、転職、失業などの文字が躍らない日はありません。それくらい、キャリアで悩む方が多いのでしょう。生まれ、老い、病んで、死ぬ。限りある人生ですが、だからこそこの人生に積極的な意味を見いだしたいと思うのは、人として当然のことです。

思えば、今ほど多くの人がキャリア作りの選択に悩む時代もなかったのかもしれません。かつては終身雇用制度があり、多くの人は転職などせず会社というムラ社会の中でやっていればよかった。

しかし、今は違います。経済も人口も右肩下がりで、一生働けるような安定感のある会社を見つけるほうが難しい。おまけに国の年金制度も当てにならず、それどころか国家の財政そのものが破綻しかねない危険水域に。もう、人生計画はズタズタです。

そんな現代は、とても生きにくい時代であると言われます。生きにくい時代を生き抜くためには「サバイバル力」が必要だ!と皆、口々に言います。とにかく英語が話せるようにならなければいけない、万が一のときでも潰しが利くように資格を取ろう、貯められるうちに貯金をしておいたほうがいい――。

メディアを見ればこのような煽り記事を多く目にします。

働く世代の不安に目をつけた企業が仕掛ける宣伝文句に踊らされて、本当に右往左往してしまう人もいることでしょう。もはや、「キャリアアップ」という言葉は現代人にとって強迫観念となっているといっても過言ではないでしょう。

そう。現代に生きるビジネスパーソンは自覚的であれ、無自覚であれ、「キャリアアップ信仰」という地獄の中にいるのかもしれません。

あなたの人生「これでいい」し「これしかない」

「これでいいのか? 自分の選択が正しいのか不安でたまらない・・・」そんな人には、まず「これでいいのだ」と安心するところから始めていただきたい思います。さまざまな因と縁が折り重なって今の自分の人生があります。これでいいも何も、「これしかない」のです。不安に思っても仕方ありません。いつだって、今ここに立っている所から、落ち着いて始めればよいのです。

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