なぜ今、ビジネスマンに仏教が必要か

僧侶がMBAを取ったワケ

お寺の新しい形 サイバー寺院「彼岸寺」

かつてお寺というのは伝統的に、その土地のコミュニティの中心としての役割がありました。現代のように都市化が進む社会には、それに見合ったコミュニティの作り方というものがあるはずです。たとえば神谷町というビジネス街であれば、住んでいる人より働きに来る人の数が圧倒的に多いので、そういう方々とのご縁の持ち方というものを新たに考えてみてもいいはずです。

その結果、落ち着いたのが「お寺カフェ」という形ですが、結局やっていることといえば、お参りに来られた方に「ようこそようこそ」とお茶やお菓子でおもてなしをする、それだけなのですね。まったく新しいことをやっているというよりは、今までお寺がやってきたことを少しだけ違った見せ方で提示することで、そのよさを再発見してもらえればと思っています。

そのために歴史・伝統という壁の高いこのお寺業界で、イノベーションを起こそうと、日々、奮闘しております。

お墓に面したオープンテラスには毎日多くの人が訪れます

「お寺カフェ」のほかに、友人たちと、「お坊さんのホームパーティ」のようなコンセプトで、「誰そ彼(たそがれ)」というライブイベントを年に3回ほど開いています。毎回違ったアーティスト(海外から来ることもあります)の演奏を本堂で聴いて、テラスで料理とドリンクとともに人との交流を楽しみ、合間にお坊さんの法話、イベントの最後にお客さんみんなで読経をします。

それに、私がお坊さんになってすぐ書き始めたブログが発展して、超宗派のお坊さんが集まるインターネット寺院、「彼岸寺」となりました。仏教に関するさまざまな情報発信をしているわけですが、もちろん、インターネット上でお寺の活動がすべて完結するということはありません。また、坐禅アプリ「雲堂」(iPhone版とアンドロイド版)もそのひとつ。禅堂での坐禅と同じように、お線香の燃える画とともに坐禅に取り組むことができます。

ところで、住職っていうのは「住む職」と書きますが、その言葉の通り、住職はお寺を離れることがほんとうに難しい仕事です。なぜかといえば、いつお葬式が入るか分からないから、お寺を離れることがなかなかできないんですね。それがソーシャルメディアによって開放された。お坊さんのツイッター・Facebookの利用率はけっこう高いように感じます。お坊さんが袈裟を着てiphoneやipadを使いこなす姿は想像できないかもしれませんが(笑)。

次ページMBAを取得して「お寺をマネジメントする」
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