影響力が大きい反対派という非常にやっかいな関係者は、②のように巻き込むのが望ましいのですが、うまくいかないこともよくあります。そのような場合には、その人の影響力を下げます。
具体的には、その人より影響力が大きい人を連れてきて、相対的に影響力を弱めてしまうのです。影響力はあくまでも相対関係です。この人は誰の言うことだったら従わざるをえないのかを見極めましょう。
影響力は中程度ながら賛成してくれる人は、ありがたい存在です。自分の考えや仕事の成果などをその人を通じて周囲に伝えるなど、スポークスマンとして活躍してもらうとよいでしょう。自分が直接言っても動かなそうな人には、このような人を通じてコミュニケーションしたほうが、不要な衝突が避けられます。
この3つのボックスに入った関係者は基本的には積極的にコミュニケーションする必要はありませんが、「そんな話、聞いてない!」など何かのきっかけで反対派に回らないように、折に触れて「今、こんなことをしてます。問題があったら連絡ください」という情報提供をしておくとよいでしょう。情報提供は「自分が大切な存在として認識されている」というメッセージです。面倒に思わずにやっておきましょう。
影響力は大きくはないものの反対派である人には、注意が必要です。強い味方をつけて反対ののろしを大きく上げてくるかもしれないからです。そうならないように監視が必要ですが、自分には心を開かない可能性もあるため、別の人に本音を探ってもらう役をお願いしたほうがよいでしょう。特に会議の後などは、積極的に反応を探ってもらいましょう。
では、前出のワンマン社長が経営する会社のケースでは、利害関係者に具体的にどのような対応をしたらよいでしょうか?
今回のケースではまず、影響力が大きく積極的に口を出しすぎる社長が、最もやっかいです。「誰が猫の首に鈴をつけにいくのか」をいろいろと探ります。たとえば前社長や相談役など社長のメンター的存在の人がその候補として考えられますね。間違っても自分で「私に任せて社長はおとなしくしていてください」などと言ってはいけません。メンターから「ここで堪えないと現場が成長しない」などと、社長にくぎを刺してもらいましょう。
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