また、表立って反対をしないものの、協力しない人もいますね。当事者である自分にはなかなか入ってこない関係者の本音もあります。そのようなときには、人間模様や組織内のさまざまな情報に通じている人を見つけ出し、味方につけましょう。
このような人は「ネットワーカー」と言います。組織内で顔が広く事情通で、みんなが何を考えてどういう行動をしているのかを把握でき、本音ベースの話を聞き出せる人です。思い当たる人がいるかもしれませんね。
「最初の布陣」がとにかく重要
ネットワーカーに対しては、「巻き込んでおくべき人は誰か?」「こういうことをしようとしたらどんな反応が起こりそうか?」「今、誰が満足していて、誰が不満を持っているか?」などを頻繁に聞くとよいでしょう。あまり表立ってやるとスパイのように思われてしまいますが、会議の後などに、参加者が廊下や休憩室でどんな会話をしていたのか、またチャットなどで聞いてもらい、教えてもらうのです。1人に頼ると見方や情報が偏る可能性もあるため、複数の人をネットワーカーとして決めて情報収集するとよいでしょう。
「思わぬ抵抗」をできるだけ未然に防ぐこと。そのためには最初の布陣で反対派をなくし、こまめな情報収集で人間模様を把握すること。これが利害関係者管理のコツです。
筆者もこれまで多くの方と仕事をしてきましたが、仕事への熱意があり、自分の担当領域は完璧なものの、それを進める段階の人間関係で思いがけずつまずいているシーンを多く見てきたように思います。
筆者がこのステークホルダーマップを教えると、「何だかゲームみたいですね。そういうふうに考えればよかったんですね。いつも好き嫌いとか相性が悪いせいだとか思ってました」とおっしゃる方が何人もいました。衝突があってからでは、やはり好き嫌い問題になりがちです。そうなる前に、冷静に相手の利害を考えられるようになるといいですね。
この連載第1回では、仕事を進めていくうえで、地雷を踏んだり、不要な衝突を避けるための「利害関係者との付き合い方」をご紹介してきました。次回は利害関係者との付き合い方のテクニックをさらに深堀りし、ネゴシエーションについてご紹介します。
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