さて、新制度導入の利害関係者の①~⑤をまとめたのがこちらの図です。ここではわかりやすくするために、マネジメント層だけに絞っていますが、当然、社員や場合によっては家族なども利害関係者に入ってきます。
いちばんやっかいなのは社長だった!
このケースでは誰が最もやっかいな利害関係者か想像できますか? 実は表立って反対している営業部長ではなく、積極的に賛同している社長です。
これまで社長は我慢できずに現場の仕事に口や手を出してしまい、権限移譲ができなかったという背景がありますので、また轍を踏む可能性があるわけです。とはいえ、社長に「いいから引っ込んでいてください」とはなかなか言えませんね? しかしこのままでは失敗してしまうかもしれない……。こんなやっかいな状況を放置せずに望ましい状態にするのが、利害関係者管理の醍醐味です。
利害関係者をマップした後は、どのように対応するかを決めます。当然ながら関係者の望ましい状態ごとに変わってきますが、このマップ上の位置によって大体の方針は決まっているので、参考にしてください。
まずは影響力が大きい上の3つ、①②③のところを見てみましょう。
影響力も強く、賛成してくれる最も強い味方の人には、こまめに報告したり、「この人のおかげで仕事ができている」ことを周囲にもアピールして、満足している状態を維持してもらいます。
影響力が強いものの、中立的姿勢をとる関係者は、反対派に回ったら非常にやっかいな存在です。「あなたにとってよいことがありますよ」とアピールするなど積極的に巻き込んでいきましょう。
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