人手不足なのに「未経験者は新卒しか採らない」企業が存続できない必然的理由と解決策

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2010年代の人材市場は、会社を短期離職した人や就職先を決めずに既卒になった人たちに冷酷だった。

筆者が創業メンバーでもあるUZUZグループは、2012年に「何度でもキャリアをやり直せる世の中になってほしい」という想いから、第2新卒や既卒に特化したキャリア支援を行う人材会社としてスタートした。

当初は「3年以内で会社を辞めた人」や「就職先を決めずに既卒になった人」を雇おうとする企業は極めて少なかったし、給与など条件もひどいものだった。新卒には優しい企業でも、第二新卒や既卒の求職者になると手のひらを返したような圧迫面接を行うケースは日常茶飯事で、そうした若者を「負け組」扱いする風潮も強かったと思う。

人材と企業の立場は、この10年で完全に逆転した

近年の人材市場で最大の変化はまさにこの部分だ。新卒人材が採れなくなった企業側が、未経験での転職を「負け組」扱いしていられなくなったのだ。人材市場で買い手と売り手のパワーバランスが逆転した今、第2新卒や既卒を含む未経験の中途採用に踏み切る企業は都市部を中心に増えているし、圧迫面接されたという話もほぼ聞かなくなってきた。

ただ、地方ではそうした変化がにぶく、いまだに未経験者は新卒しか採用していない中小企業も多い印象がある。昭和の時代から続いた「新卒一括採用」が土台となった採用方針だからだろう。若手人材が集まる採用マッチングイベントでも「未経験者は新卒じゃないと採用しない」という対応をしばしば目にする。

しかし、人材不足は日本全体で起きている。なんなら地方のほうがより顕著に状況が悪化している。さらに、都市部の企業が地方人材に触手を伸ばす動きも顕著になってきている。

筆者の周りの人材エージェントにも、首都圏の集客コストの高騰から、地方人材を都市部に引っ張ってくる戦略を行っている会社もある。

このような状況が進めば、地方の中小企業はどうなるだろう。賃金や働き方など待遇面で攻めてくる都市部の企業に勝てる余地はあるのだろうか。

もう一度言うが、少子化はどうしたってひっくり返らない歴然とした事実だ。転職に対する人々の心理的ハードルもどんどん下がっている。だからこそ、生き残りが不安な企業ほど、より幅広く人材を集められるような採用・育成モデルに転換していくことが必須だ。

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