「親同士の"マウント合戦"は海外でも」「集まりに呼ばれなくなった…」教育移住、よくある日本人の"2大マウント"

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一口に親子での教育移住といっても「家族で渡馬する場合」「母子だけで渡馬する場合(母子留学)」があります。

前者の場合は、「親がマレーシアで就労している」あるいは「親が経営者やリタイアメント組で住む場所を比較的自由に選べる」ケースが多く、後者の場合は「父親が仕事等で日本を離れられない事情があり、母子だけがマレーシアに住む」ケースが多いです。

どのケースも慣れない異国の地で生活することに変わりはありませんし、それぞれの生活スタイルならではの課題や苦労もあるでしょう。

ですが、「隣の芝生は青く見える」とはよく言ったもので、「相手は自分よりも恵まれている」と考えると「マウントを取られた」と感じてしまうことがあるようです。

「ビザを含む生活スタイル」もマウントする材料

「MM2Hビザ」を取得し、家族でマレーシアに教育移住した方がいます。

「MM2Hビザ」とは「マレーシア・マイ・セカンドホームプログラム」という名の長期滞在ビザのこと。

現行の発給要件では、「最低でも15万USドル以上(約2200万円以上)の固定預金をすること」「最低でもマレーシア国内で60万リンギット以上(約2100万円)の不動産を購入すること」など、資産に関わる最低条件が定められています(特別経済地域を除く)。

子どもが同じ学校に通う保護者同士、「どのビザでマレーシアに滞在しているのか」という話をした際、「MM2Hビザで」と正直に申告したところ、以降「私たちとは違うから」と集まりに声をかけてもらえなくなったそうです。

ご本人は決して自慢したつもりではなかったのですが、「『MM2Hビザ』を取得している=生活水準がある程度予測できる」ことから、「マウントを取った」と思われてしまったのかもしれない、とのことでした。

MM2Hビザの要件
MM2Hビザの要件。カテゴリー別に資産要件が変わる(Ministry of Tourism, Arts and Culture Malaysia<マレーシア観光・芸術・文化省>サイトより引用“Insights on the Categories – English Version“)

ビザの種類だけでなく、住んでいるエリアやコンドミニアムでも生活水準が予想できるので、同様に「マウントを取っていると思われるのが嫌で、正直に話しづらい」という声も耳にします。

とくに日本人が多く住むエリアの場合、誰と誰がつながっているのかわからないので、愚痴も言いづらい空気があるようです。

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