《4億円あれば"英語力不問で永住権"?》「ゴールデンビザ」緩和に踏み切った"ニュージーランド"の大胆施策

世界の富裕層の多くが希望しているのは完全移住ではなく、「半移住」でのデュアル・ライフという姿だ(写真:NZ観光庁)
もっと自由な人生設計を――。この春、南半球・ニュージーランドへと世界から熱い視線が注がれている。
2025年4月、同国では富裕層向け「ゴールデンビザ」(正式名称:アクティブ・インベスター・プラス(AIP)ビザ)の要件が大幅に緩和され、一例を挙げれば年8%の想定利回りが見込まれる政府認定のファンドに3年間投資すれば、永住権の取得が可能となった。
この変更の真意は、どこにあるのだろうか?
英米で10年を過ごし30カ国超で投資をしてきた加藤航介氏が、現地在住の移住サポーター池口健一郎氏への取材を通じて、世界の移住制度の今と、国境を越える投資の未来を掘り下げる。
「自分」「家族」という人的資産を国際分散する
日本人には馴染みが薄いかもしれないが、世界には通称「ゴールデンビザ」といわれる富裕層向けの永住権制度が存在する。
その国に対して一定の投資を行うことで、長期の在留資格、場合によっては永住権や市民権を得られるもので、世界各国で制度化されている。
国にとっては富裕層の誘致や、外国から経済成長の原資である「投資」を呼び込む利点がある一方で、不動産価格などが高騰し、現地市民の住宅取得が困難になるなどの問題もある。実際、EU諸国などではゴールデンビザを廃止、あるいは制限する国も見られる。
そんな潮流に逆行するように規制緩和に踏み切ったニュージーランド。
新制度の内容は、たとえば政府公認ファンドに投資を行うことを条件に、3年間のうち合計21日間、ニュージーランドに滞在すれば永住権の取得が可能になるというものだ。

海上から臨む首都オークランド(写真:NZ観光庁)
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