「ほっかほっか亭ってまだあるんだ」のX投稿に反応して話題も…確かに「店舗数は減少」でも、同社が"へこたれていない"ワケ

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――既存のお弁当事業だけでなく、新規事業も多数手がけられていることに驚きました。こうしたイノベーションを実現するうえでの秘訣や、会社内で取り組まれていることを教えてください。

特に重視しているのが、組織改革とスピードです。たとえば、組織横断でAIを活用するチームを編成し、収益性の向上を実現しています。

出店予測にもAIを活用しています。どの場所に店舗を出すと収益性が高いのかを、AIを活用して予測を行うことで、出店戦略の精度を上げることに成功しています。

店舗数自体は減っていますが、店舗当たりの売り上げが高まっており、全体としての売り上げは向上しています。

ほっかほっか亭
1980年の創業当時のほっかほっか亭店舗(写真:東洋経済写真部)

ほっかほっか亭の今後のSNS戦略

ほっかアプリでの情報配信に関しても、AIを活用して顧客データを分析したり、投稿時間や投稿内容の最適化を図ったりしています。顧客の位置情報に合わせた配信も行っています。

ほっかほっか亭
(写真:筆者提供)

弊社は食材にこだわっており、原価率が非常に高いのですが、質を落とすわけにはいきません。そこで、人件費を抑える、無駄をなくす。店舗戦略を最適化するといった効率化を図ることで営業利益を高めるという方法を取っています。

ただ、人件費を抑えるといっても、給与を下げるのではなく、セントラルキッチン方式を導入して調理時間を短くする、調理しやすい店舗づくりをする――といった工夫をしています。

店内調理という、ほっかほっか亭の競争優位を維持しながら、利益を確保する工夫をしているのです。

――SNSやメディアで話題になる裏側では、さまざまな経営努力をされていることを実感しました。最後に広告・宣伝の話題に戻りますが、今後はどういう展開をされる予定ですが?

これまで、他企業やインフルエンサーとのコラボレーションを多数行ってきましたが、これまでの「協調型」に加えて、「対決型」のプロモーションも考えています。これまでにない展開になると思いますので、ご期待いただけたらと思います。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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