麻雀店なのに市場で仕入れた魚をさばき海鮮丼をつくる…「料理がおいしすぎる雀荘」が誕生した経緯

麻雀を打つテーブルに運ばれてきたどんぶりには、マグロやタコなど6種類の刺身が敷き詰められていた。どれも市場で仕入れた魚を店内で捌いたものだという。光沢のあるマグロを食べてみるとじんわりとした旨味が口の中に広がった。
新鮮な海鮮丼を提供しているのは、学生街・高田馬場にある「健康麻雀・居酒屋麻雀 ガラパゴス 高田馬場店」だ。
メニューには海鮮丼の他にも国産牛を5時間煮込んだカレーもある。このカレーは2009年に東急プラザ渋谷で開催されていた「渋谷市場」の催事で約10店舗の中でトップの売り上げを獲得した。
「1週間の催事だったのですが、1日に平均10万円ほどの売り上げになりました。この市場では1日平均5万円売れたらすごいらしく、責任者の方がとても喜んでいました」
店舗オーナーの田嶋智徳さんは2011年に父・智裕さんから経営を継ぎ、フードメニューの開発やグレードアップに力を入れてきた。雀荘の飲食メニューといえばカップラーメンやレトルトカレーなどのインスタント食品が定番で、調理設備を備えている店舗も多くはない。なぜフードメニューの拡充に注力するのか。その理由は店舗の歴史にある。
昼と夜で異なる顧客層を狙う二毛作経営
ガラパゴス高田馬場店の営業は2つの時間帯に分かれている。午前10時から午後4時まで「賭けない・飲まない・吸わない」を合言葉とした健康麻雀を提供。平日の価格は1卓1時間1700円で、メインの顧客層は60代以上の女性だ。
「うちは昼間の常連さんに支えられている店なんです。開店と同時に入店して夕方まで麻雀を打ち続ける方も多く、なかには1年に200回以上訪れる人もいます」と田嶋さんは笑顔で説明する。
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