麻雀店なのに市場で仕入れた魚をさばき海鮮丼をつくる…「料理がおいしすぎる雀荘」が誕生した経緯

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

渋谷での店舗探しは難航した。あるテナントでは「雀荘の店舗を入れると治安が悪くなりそう」と難色を示され、別のテナントでは「飲食を提供するのはダメ」と断られた。やっと見つけた店舗は家賃が2倍以上だったり、テナントの上下階が風俗店に挟まれていたりした。

海鮮丼以外のメニューも充実している(写真提供:ガラパゴス)

半年かけて学生街・高田馬場に物件を見つけた智徳さんは当時のことを振り返る。「家賃が渋谷店の半額だったんです。『これだったら昼間にお客さんが来ればやっていけそうだ』と思って。移転はやめて、2店舗目としてオープンすることにしました。ただ、2年くらいは全く客が来ませんでしたね。渋谷店の売上で不足分を補填しているような状況でした」。

2店舗体制になったガラパゴスでは調理の担当者も新たに必要になった。「スタッフに食べ放題を任せるのは『負担が大きすぎるな』と思ったんです。ただ、『ガラパゴスと言えば料理』というイメージを常連さんが持っていたので、その期待には応えたい。1食で満足できるようなセットメニューをいくつも考えたんです」。

2016年には高田馬場店も軌道に乗り、2019年には神保町にあった雀荘を事業承継し3店舗体制に移行した。

しかし2020年にコロナ禍へ突入するとピンチに陥る。人が密集する雀荘への風当たりが強くなり、常連客である高齢者も外出を控えた。渋谷店では1カ月に百万円単位の赤字が発生。ビルの老朽化も進んでいたため、2020年6月で渋谷店を閉めた。

YouTubeで話題化、新たな客層開拓

高田馬場店と神保町店の2店舗体制になったガラパゴス。コロナ禍が終わり始めた2022年に転機が訪れた。116万人の登録者を持つグルメ系のYouTubeチャンネル「黙飯 MOKU MESHI TOKYO」で高田馬場店が取り上げられたのだ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事