サブスク利用も…購入者満足度94%のパナソニック再生家電 年間約1万台がよみがえる宇都宮工場を見学してわかった"中古品への不信"覆す勝機

宇都宮工場に展示されているリファービッシュ製品(写真:筆者撮影)
パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション(以下、パナソニック)は2025年6月5日、宇都宮工場にリファービッシュ(検査済み再生品)工程の中核拠点を新設した。返品や展示品などを自社で回収し、再生して市場に戻す「Panasonic Factory Refresh(以下、PFR)」事業を加速させる狙いだ。
6月17日からは一般向け工場見学も開始。量産工場と同等の品質管理を“見せる”ことで、再生品への不信を払拭し、ブランド価値と販売の両面で成果を狙う。今回は、現地での工場見学ツアーへの参加と共にビジネスモデルの実態を取材した。
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中古品への先入観を覆すライン設計
宇都宮工場はJR宇都宮駅から車で約20分ほどの、平出工業団地内に位置する。入り口へと向かう広場では、パナソニックが開発した暮らしに寄り添うロボット「NICOBO(ニコボ)」を模した植栽が来場者を出迎え、工場見学への期待感を高めてくれる。

パナソニックが開発した暮らしに寄り添うロボット「NICOBO(ニコボ)」を模した植栽(写真:筆者撮影)
PFRは現在、全社で13カテゴリーを展開。そのうち宇都宮工場では、テレビ、洗濯機、ブルーレイ、ポータブルTV、ミラー1カレス一眼、食洗機、空間除菌脱臭機など7カテゴリーを担当している。同工場では、従来、複数の建屋に分散していた再生工程を2025年に1カ所に集約。これにより動線短縮・リードタイム短縮・生産性改善を実現した。集約後の年間再生能力は約1万台と、従来の2倍に拡大している。

宇都宮工場に展示されているリファービッシュ製品(写真:Panasonic提供)
工場見学は火・水・木曜に実施され、事前予約制・無料で参加できる。案内は社内アテンダントが当番制で担当しており、D2C型の教育コストを現場で担う仕組みだ。
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