サブスク利用も…購入者満足度94%のパナソニック再生家電 年間約1万台がよみがえる宇都宮工場を見学してわかった"中古品への不信"覆す勝機
「特にZ世代をはじめとする次世代の消費者は、環境問題への関心が高く、モノを長く大切に使いたいという価値観を強く持っています。こうした世代が今後の消費の中心になることを考えると、リファービッシュ品への期待はますます高まると感じています」

購入者満足度は94%と高い。背景には価格納得感とSDGs整合性、そして安心のメーカー保証がある。Z世代は環境価値観との親和性が高く、ミドル層は「準新品を適正価格で」という合理性で反応。カテゴリー拡充と定額メニューが裾野を広げ、LTV(顧客生涯価値)向上に貢献している。
再生製品のサブスクも
PFRの採算性を左右するのは、回収量×再生歩留まりである。冒頭でも述べたとおり、回収製品は、初期不良や展示戻り、サブスク返却品などが中心で、宇都宮工場だけでなく奈良工場などで再生事業が展開されている。
「回収量は販売店やサブスク契約の回収スキームに依存するため、安定した供給網の確立が重要です。一方で、再生歩留まりは分解後にどれだけ部品を再利用できるかで決まります。部材の共通化や作業標準化が進めば歩留まりが改善し、固定費吸収が加速してコスト構造が安定していくと考えています」(宇都宮工場 担当者)
現在、年間再生能力は約1万台規模とまだスモールスタートだが、工程集約と効率化により、事業拡大への基盤が整いつつあるという。

また、現在の収益源は大きく2つに分かれる。まず直販モデルでは、公式オンラインストア「Panasonic Store Plus」にチャネルを集約。販売は順調に推移しているが、さらなる認知度向上が今後の成長課題だと担当者は話す。
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