サブスク利用も…購入者満足度94%のパナソニック再生家電 年間約1万台がよみがえる宇都宮工場を見学してわかった"中古品への不信"覆す勝機

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その日によって見学できる作業工程は異なるが、テレビのホワイトバランス調整や洗濯機の分解・洗浄などを間近で確認できる。録画データのリセットといったセキュリティ面も徹底されており、リモコン含め、交換する部品は全て純正品を使用。量産品と同等の検査を通じて、再生品の品質を担保している。

テレビのリファービッシュ工程(写真:筆者撮影)
テレビのリファービッシュ工程(写真:筆者撮影)

こうした再生品品質の徹底は、サポート対応コストの平準化にもつながる。再生品は新品より価格を抑える必要があるが、保証やアフターサービスを含めたTCO(総保有コスト)で価値を訴求することで、単純な値引き競争から脱却できるという。

ドラム洗濯乾燥機、掃除機、テレビ、カメラなどの再生品が並ぶ公式サイト

「再生品であっても高品質を維持できるのは、メーカーならではの技術力と知見があるからだと考えています。数百点の部品から活用できるパーツを見極めることで廃棄物を削減し、メーカー品質の再生品として提供することで、環境負荷低減と収益性の両立を目指しています」

再生品には量産品と同等の検査が施される(写真:筆者撮影)
再生品には量産品と同等の検査が施される(写真:筆者撮影)

こういった再生品の受け止められ方についても、同社は消費者意識の変化を強く感じているという。

モノを長く大切に使いたいZ世代の価値観にマッチ

当初、食洗機のように口に触れるものに関わる家電は、再生品への抵抗感が強いのではないかと懸念していた。ところが実際には想定を上回る高い需要があり、社内でも驚きをもって受け止められているそうだ。

次ページ予想以上の需要
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